今年のサマーインターンシップほど開催までの期間にヤキモキしたことはありませんでした。インターンシッププログラム合格者のお二人の日程が合わず、当方が調整に手間取ってしまったためです。しかし、8月の最終週に大阪大学大学院国際公共政策研究科修士1年の加藤千春さんと東京大学農学部生命化学工学専修3年の中川奈菜さんのお二人が参加してくれました。

このインターンシップで初の女性2名となりました。大学院で知的財産権に関する講義も受講して、知財業務へ携わることを既に視野に入れている加藤さんと、文系と理系を繋ぐ仕事の1つとして知財業務を候補に考えている中川さんでしたが、お二人とも熱心に、また、強く興味を持ってインターンシップのプログラムに取り組んでいただきました。今年も、事前にインターン間でコミュニケーションを取っていたようで、ホテルは同じ部屋に宿泊するという経済的な効果もしっかりと掴んでいました。

今年は、知的財産権に関する基礎的な知識の習得や演習に加えて、山口大学の知的財産センター長の佐田教授に大学が取り組む知的財産の現状についてご講義をいただいたり、山口大学発ベンチャーで農学部と連携しながら活動されている㈱アグリライト研究所を見学させていただくなど知財活用の現場に足を運んで勉強させていただきました。この場を借りまして佐田先生をはじめ、アグリライト研究所の園山社長様、岩谷取締役様に感謝を申し上げます。

毎年の爽やかな1週間はあっという間に過ぎましたが、地方の特許事務所でのインターンシップの経験を活かしながら、思い描く夢の実現と思う存分の活躍をされることをお祈りしています。

また、山口は史跡にも恵まれた場所ですので機会があれば山口(湯田温泉)に来て、今度はゆっくり観光でもしてみてください。その際には事務所にもお立ち寄りください。

上の写真は、フレンチ&中華レストランのマシェリという店で行った歓迎会の様子です。
中の写真は、最終日のクレームドラフティングに関するプレゼンの様子です。
下の写真は、プレゼン後の集合写真です。

恒例によりましてインターン生の感想文をいただきましたので掲載させていただきます。

【加藤さん】 
井上様、阿部様、維新特許事務所の皆様、
お忙しい中、未熟者な私を温かく受け入れてくださり本当にありがとうございました。文系で、特許関係のお仕事にインターンシップをできる機会が少ないので、今回のインターンシップでは大変勉強になりました。重ねてお礼申し上げます。

 さて、インターンシップですが、知的財産権の中でも主に特許を取得するまでに作成する書類作成の研修を受けました。実際に、特許権の請求範囲を書いてみて、書類作成には表現力と想像力が必要だということに気がつきました。特許を取得するために何が製品の特徴なのか、又権利の範囲を広く取得するための工夫等、特許を取得するまでに事務所で作成される書類には特許を取ろうとするお客様を全力でサポートしようという職員の方の意気込みや熱意と、書類を作成する人の表現の工夫や努力の詰まったものだということを実感することができました。これからの目標として特許公報を読んで、書類を書けるように努力していきたいです。書類作成の他にも、判例を調べたり、職員の方と一緒に判例研究を行ったりと、熱心な維新特許事務所の方々からアドバイスを頂いたり、お話を伺うことができたことは貴重な経験でした。

 また、インターンシップ期間中、書類作成だけではなく大学や工場を訪れ、山口県が積極的に取り組んでいる知的財産事業に実際にお伺いする機会を頂きました。新聞で山口大学が知的財産の学びに力を入れているという記事を拝見していたので、見学はとても興味のあるものでした。この様な機会を設けていただきありがとうございました。
 維新特許事務所の皆様並びにインターンシップ生の中川様には多々ご迷惑をおかけすることもありましたが、この1週間のインターンシップは私にとって知的財産分野に携わることができた幸せな1週間でした、本当にありがとうございました。

【中川さん】
大学に入り自分の将来について考えたとき、文系と理系をつなぐような仕事をしたいと思い、そこから興味を持ち続けてきた世界が知財や特許に関わる仕事でした。しかし、知財業界はバイトやインターンも少なく、実際にはどのような仕事なのかを直接知ることが難しく悩んでいたところ、このインターンシップに出会いました。山口という遠方の特許事務所でのインターンシップということで、当初は両親も驚き、そして私自身にも不安がありましが、HPのインターンシップレポートの内容を読んで、これは絶対に参加してみたいという思いで応募をしました。

その結果、知財についてほとんど勉強したことのなかった私に対し、特許に関する基本的な知識から、実際に行われている特許出願の書き方や先行技術検索のやり方まで、お忙しい合間をぬって丁寧に教えていただき、インターンシップの5日間は本当に貴重な経験となりました。また、特許に関わってきた職員の方々や山口大学の方々とお話できたことも、非常に貴重な経験でした。
進路に悩める私にこのような機会を与えてくださったこと、感謝の気落ちでいっぱいです。就活もこれからの状況で、今後知財の仕事に関わっていけるかどうかもまだわからない段階ではありますが、それでも今回の経験は私の中で無駄になることはありません。お忙しいなかいろいろ教えてくださった所員の方々、見学を受け入れてくださった方々、本当にありがとうございました。

また、インターンシップとは直接関係ないですが、湯田温泉の雰囲気やそこで暮らす人々の生活には東京にはないゆったりとしたものが感じられ、そこに1週間滞在したことはとても新鮮でした。今度は純粋に観光で訪れることができたらなあと思います!