今年のサマーインターンシップは、暑さも少しは和らいだ8月の最終週に開催されました。今年は関東から2名の賑やかな二人が参加してくれました。横浜国立大学工学府システム統合工学専攻(修士1年)に在学の河村拓実さん、慶応義塾大学総合政策部(3年)に在学の石田阿紗乃さんの2名の方にご参加いただきました。
今年も初日の夜に歓迎会を開催したのですが、河村さんがムードメーカーとなって盛会となりました。

今年は例年開催していた遠足?を取りやめて、1週間フルタイムで知的財産に関する勉強や特許出願書類の作成実習を行っていただきましたので、少し辛かったのではないかと思います。ただ、二人とも知的財産権に関する勉強をしていて、熱心にカリキュラムに取り組んでいただきました。

特許出願書類の作成実習では、日頃接している文章の形態とは異なる言い回しや文章の構成に戸惑うことなく、まとめていただいたように思います。短期間にびっくりするような速さで習得してくれるので、こちらもやりがいがあります。今回のインターンシップでは書き方のスキルのようなものを学んでいただいたわけですが、知的財産権に関わる仕事をするときには、その知的財産権の保護対象は自分自身が創作したものではないことがほとんどで、そのような場面で如何に創作者のために力を注いであげられるかというのは、スキルと同じくらいに気持ちが大切になってきますので、そんなことも心掛けて是非とも知的財産権に仕事で関わっていただければと思います。

二人とも遠方よりインターンシッププログラムに参加いただいてありがとうございました。特に石田さんは大阪より西に行ったことがないというのに、夜行バスでの参加をありがとうございました。また、お疲れ様でした。
田舎の事務所ですが、都会に疲れたらいつでも立ち寄ってください。今度はゆっくり観光もしてみてください。

上の写真は、石田さんのプレゼン時のもので立っている石田さんの隣に座っているのが河村さんです。
下の写真は、、最終日の修了証を手にした写真です。左が石田さんで右が河村さんです。

恒例によりましてインターン生のお二人に感想文をいただきましたので掲載させていただきます。

【河村さん】
インターンシップへ参加するにあたり、不安な気持ちが少なからずありました。しかし皆さんとても親しみやすい方で、不安など感じぬ間に、充実感をもってインターンシップを終えることができ、非常にうれしく思っています。

特許出願書類の作成課題を通じ、自分の考えを文章で表現することの難しさを痛感いたしました。とりわけ特許請求の範囲の作成にあたっては、発明の特徴をすべて表現するにはこれしかない、という文章を練り上げたつもりでした。しかしその文章は、いま、アドバイスをもとに書きなおしたものと改めて比較すると、非常に複雑で分かりにくいものでした。同時に、自分が発明に対していかに狭い観点しかもっていなかったか、いかに浅い理解であったか、とも感じます。発明を深く理解してこそ、その上位の概念で、分かりやすく読み手に伝ることができると分かりました。様々な発明に触れ、深く理解して、ものづくりに貢献できることが私にとって弁理士の最大の魅力であったのですが、いつの間にか発明を表現することが目的になってしまっており、根本に立ち返る貴重な機会となりました。
もちろん、本インターンシップを通じて学んだ様々なノウハウも、今後あらゆる場面で生かしていきます。

最後に、井上所長をはじめとする所員の方々の熱心なご指導、本当にありがとうございました。私の稚拙な文章を理解していただき、明確なアドバイスをいただけて、私の目指す職業の凄さを目の当たりにしたとともに、具体的な目標ができました。また、特許事務所ならではの体験やお話を伺えたことも、他では得難い経験です。有意義な話し合いをしながら課題に取り組むことができた石田さんにも、感謝です。
濃密な一週間を、ありがとうございました。

【石田さん】
知財法について関心を持っており、いつか知財にまつわる仕事が出来ればいいなと考えていたことから、”特許事務所 インターン”で検索し、こちら のサイトに辿りつきました。

ずっと関東に住んできたため、山口にインターン先を決めることは周囲からも大変驚かれはしましたが、貴所のドアを叩き、私たち研修生のために練ら れた日程表を見たときから既に、「来てよかった」と感じておりました。 

所長やインターン担当の渡邊さん、所員の皆様にはこれ以上にない程のサポートをして頂きました。文系学部生であった自分にも、配慮はするが遠慮は しない、という感じで良い意味で特別扱いすることなく時に厳しく指導して頂き、有難かったです。 

普段ゼミで判例を読む際には、裁判所の判断ばかりに目がいき、争われている発明の明細書にはあまり注意が行き届いていませんでした。しかしなが ら、明細書作成の研修を終えた今では、明細書を多大なる時間、知識、手間をかけ作りあげられた知的営みの発露として捉えることが出来、見方が大き く変わりました。
明細書作成にあたっては特有の書き方が必要で、特許用語の語彙力が無くて苦心しました。それでも、権利の範囲をなるべく広く取るために1つ1つの 言葉に真剣に向き合い、慎重に言葉を選定していく作業は楽しむことができました。 

実務の現場で学ぶことで、普段講義や本で得た知識が輪郭を帯びて浮き上がってくるように思われました。
今回のインターン参加、そして、維新国際特許事務所の皆様や研修生同期の河村さんとの出会いはキャリアを考える上で大きな糧となりました。
このような貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
また皆様とお会いできることを楽しみにしております。